「パラ」リンピック

 中3英語の教科書にパラリンピックが載っていたので、なぜパラリンピックというか調べました。公式にはオリンピック(Olympic)と並行して(parallel)行なわれるという意味のようです。この "para-" は私の解釈では「近くて遠い微妙な関係」を表しているように思います。平行線(parallel)は、まさに「並んでいながら交わらない微妙な関係」です。

 放物線(parabola)は、ちょっと遠くに物を投げる感じ。数学的には楕円でも双曲線でもない微妙な曲線です。変数(parameter)は値が変化して、近くなったり遠くなったり。段落(paragraph)は近い意味の文が集まって、隣の段落とはちょっと意味的な距離がある。寄生(parasite)は違う生物でありながら宿主の生物の中で生きている。防虫剤のパラゾール(正式名paradichlorobenzen)は一つのベンゼン分子の離れた場所に2個の塩素原子がくっついている…。ちなみにパラシュート(parachute)や日傘(parasol)は「守る」という別の意味からきているらしいです。

 パラリンピックも元々は「麻痺」を意味する単語が元になったという話もあります。そういえばSF映画で敵を麻痺させる銃をパラライザーとかいいます。自分の体でありながら、思い通りにならない、近くて遠い感じが"para"なのです。東京オリンピック・パラリンピックも東京の方では盛り上がってるみたいですが、佐賀に住んでいると"para"に思えるのは私だけでしょうか。